RESEARCH

【大企業人事の約9割が「人事関連業務のスキルにばらつき」を実感】人事業務の属人化を解消する鍵とは

2023/07/26

「企業の人事スキルに関する実態調査」調査結果を公開

調査サマリー

調査概要
調査概要:大企業人事のスキルに関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年7月11日〜同年7月12日
有効回答:大企業(従業員数1000名以上)の人事担当者106名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

≪利用条件≫
1 情報の出典元として「株式会社Hajimari」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://hr-university.jp/lp

「人事評価」や「労務管理」について、特に自信を持って取り組むことができている

「Q1.あなたは、下記の人事関連業務について自信を持って取り組むことができますか。」(n=106)と質問したところ、「新卒採用」は「非常にできる」が25.5%、「ややできる」が24.5%、「中途採用」は「非常にできる」が17.9%、「ややできる」が32.1%という回答となりました。

87.7%が「人事関連業務のスキルにばらつきがある」と回答

「Q2.あなたは、人事担当者ごとに人事関連業務に関するスキルのばらつきがあると思いますか。」(n=106)と質問したところ、「非常にそう思う」が33.0%、「ややそう思う」が54.7%という回答となりました。

人事担当者ごとにスキルのばらつきがあることで生じている課題、「属人化」や「共通認識が醸成されない」など

Q2で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q3.人事担当者ごとにスキルのばらつきがあることで生じている課題を教えてください。(複数回答)」(n=93)と質問したところ、「属人化により業務が非効率になっている」が57.0%、「部署としての共通認識が醸成されない」が45.2%、「部署内でコミュニケーションが取りにくい」が31.2%という回答となりました。

「意思疎通が取りづらい」や「部下育成スキルにばらつき」などの課題も

Q3で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q4.Q3で回答した以外に、人事担当者ごとにスキルのばらつきがあることで生じている課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=90)と質問したところ、「意思疎通が取りづらい」や「部下育成スキルにばらつき」など55の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>
・51歳:情報の共有がうまくいかない場合がある。
・64歳:同年代の社員でもスキルが違いすぎる時もあると感じる。
・51歳:マネージャーの部下育成スキルにばらつきがある。
・40歳:課題が多すぎてそれぞれの担当の仕事しか回せない部分がある。
・59歳:標準化できていないため、無駄な仕事が多い。

7割以上が「人事関連業務に関する網羅的なスキルを身に付けたい」と回答

「Q5.あなたは、人事関連業務に関する網羅的なスキルを身に付けたいと思いますか。」(n=106)と質問したところ、「非常にそう思う」が29.2%、「ややそう思う」が43.4%という回答となりました。

担当外の人事関連業務に関するインプット方法、「セミナーの受講」が57.1%で最多

Q5で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q6.あなたは、担当外の人事関連業務に関してどのような方法でインプットしていますか。(複数回答)」(n=77)と質問したところ、「セミナーの受講」が57.1%、「書籍の活用」が42.9%、「eラーニングサービスの活用」が41.6%という回答となりました。

担当外の人事関連業務をインプットする際の課題、「時間が確保できない」、「内容が定着しない」など

Q6で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.担当外の人事関連業務に関してインプットする際に生じている課題を教えてください。(複数回答)」(n=70)と質問したところ、「インプットする時間が確保できない」が47.1%、「インプットした内容が定着しない」が41.4%、「網羅的に知識やノウハウをインプットできない」が32.9%という回答となりました。

「人員不足」や「教育制度がない」などの課題も

Q7で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q8.Q7で回答した以外に、担当外の人事関連業務に関してインプットする際に生じている課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=68)と質問したところ、「人員不足」や「教育制度がない」など36の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>
・64歳:インプットに関するノウハウ的なものが無い、持ち合わせていないので困ることが多い。
・50歳:時間が取れない。人員不足。
・37歳:指導者がいない。
・51歳:教育制度がない。
・32歳:活用できる形にできるかどうかが難しい。

人事関連業務のスキルで学びたいこと、「人事評価」や「人材育成」、「労務管理」など

「Q9.あなたは、今後、人事関連業務のスキルとしてどのようなことを学んでいきたいと考えていますか。(複数回答)」(n=106)と質問したところ、「人事評価」が34.9%、「人材育成」が34.0%、「労務管理」が34.0%という回答となりました。

まとめ

今回は、大企業(従業員数1000名以上)の人事担当者106名を対象に、大企業人事のスキルに関する実態調査を実施しました。

まず、人事関連業務について「人事評価」や「労務管理」については自信を持って取り組めている一方で、「人材開発」や「HPテック」に関しては、他の業務に比べて低い傾向が表れました。

また、87.7%が「人事関連業務のスキルにばらつきがある」と回答し、具体的には「属人化により業務が非効率になっている」や「部署としての共通認識が醸成されない」などの課題があることが分かりました。さらに、7割以上からは「人事関連業務に関する網羅的なスキルを身に付けたい」との声も集まりました。

網羅的なスキルを身につけたいと回答した方のうち、担当外の人事関連業務に関するインプット方法について聞いたところ、「セミナーの受講」が57.1%で最多となった他、「書籍の活用」や「eラーニングサービスの活用」が挙がりました。加えて、担当外の人事関連業務をインプットする際には「時間が確保できない」、「内容が定着しない」などの課題もあることが分かりました。

調査結果より、人事担当者は日常業務で業務スキルにばらつきがあることを実感しており、人事業務に関する網羅的なスキルをつけることに意欲的であることが分かりました。

人的資本経営への関心の高まりから、今後いっそう注目される人事部門。
企業の根幹である”人”を動かす人事部門の働きが、企業の将来を決めると言っても過言ではありません。

人事担当者一人一人が網羅的に人事スキルを身につけることで、人事部門の組織力も向上し、企業の成長にもつながるのではないでしょうか。