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株式会社アルク

フリーランス人材との共創で実現する内製化と事業成長

2024/10/29

株式会社アルクさまは1969年4月の創業以来、「地球人ネットワークを創る」をミッションに掲げ、通信教育講座、出版物、研修、eラーニング教材、学習アプリなど、幅広いサービスを展開しています。

同社はシステム開発やWebマーケティングの領域で内製化を促進するために、フリーランス人材と新卒社員を組み合わせたチーム体制を構築。この取り組みにより、サービス開発と育成を両立させ、業務効率の向上を実現しています。

今回は、内製化プロジェクトにおけるフリーランスの活用背景やその成果について、技術開発部部長の服部浩之さまと、マーケティング部部長の木島聖斗さまにお話を伺いました。

貴社のビジネスモデルを教えてください

当社は、企業、教育機関、自治体、語学指導者、そして学習意欲の高い個人の方々など幅広い層に向けて、語学学習の包括的なサポートを提供しています。

その中でも特に力を入れているのが、AIを活用した英語学習アプリ「booco」です。私が所属する技術開発部では、この「booco」をはじめ、様々なeラーニングシステムやサービスサイトの開発を担っています。

※boocoは、アルクのベストセラー教材を厳選し、AIが一人ひとりに最適なレッスンを提案する画期的な英語学習アプリです。1日3分から手軽に始められ、スキマ時間を有効活用しながら効率的に学習を進められます。

マーケティング部では、各プロダクトのマーケティング戦略からWebマーケティングやコンテンツマーケティングなど、様々なチャネルを活用した戦術の機能を担っています。

また、ユーザーとのエンゲージメントを高めるための施策にも力を入れています。

どのような課題があったのでしょうか?

2020年頃から内製化に大きく舵を切ったのですが、それまで開発はベンダー任せだったため開発スピードが遅く、それが事業成長の足かせになっていました。

内製化を進めるためには、開発組織の強化が不可欠です。

しかし中途採用は決定までに時間もかかり、即戦力となるような優秀な人材は条件面でなかなかマッチしない。仮に採用できたとしても、経験の浅い人材の場合は、社内にノウハウがほとんどないため、育成には時間がかかるというジレンマを抱えていました。

マーケティング部門でも、代理店への依存からの脱却と内製化の推進は大きな課題でした。

モバイルアプリのグロースはWebサービスとは異なることを痛感していた時期で、ノウハウもリソースも不足している状態からのスタートだったので、非常に困難な道のりでしたね。

新しいメンバーを採用するだけでなく、若手社員の育成にも力を入れましたが、当初想定していたようなスピード感で体制を構築することができませんでした。

なぜフリーランス活用という手段を選択したのですか?

フリーランスエンジニアであれば、必要なスキルを持った人材を、必要な期間だけピンポイントで確保できるという点が魅力だったからです。

当時は一刻も早く内製化を進める必要があり、自社で採用して育成するとなると、どうしても時間がかかってしまう。

即戦力としてフリーランスエンジニアを活用することで、プロジェクトを迅速に立ち上げ、事業のスピード感を加速させたいという思いがありました。

マーケティング部でも同じような課題がありました。

内製化を進める上で、Webマーケティングの専門スキルを持った人材の必要性は明らかでしたが、経験豊富なマーケターを採用するのは本当に難しかったんです。

やっとの思いで採用できたとしても、定着してくれるかという不安は常にありました。

そこで即戦力として、かつ社内の人材育成の観点から、フリーランスの方々に協力を依頼することにしました。

Hajimariへどのような人材をオファーしたのでしょうか?

当時、社内にはiOSエンジニアがほとんどおらず、新卒や中途のバックエンドエンジニアがiOS開発を学んでいる最中でした。

そのため、すぐに開発に携われる即戦力となる経験豊富なエンジニアであると同時に、若手メンバーの育成も任せられる「プレイングマネージャー」のような存在を求めていました。

Hajimariさんには、私たちのニーズを的確に汲み取っていただき、まさに理想的な方を紹介していただきました。本当に感謝しています。

マーケティング部の場合は、デジタルマーケティングはもちろん、モバイルアプリのグロース経験があることを条件に、即戦力としてすぐに成果を出せるスキルを持ったマーケターをお願いしました。

当時は経験豊富な人でないと対応できないような課題が山積みで、とにかく即戦力が必要な状況でした。そんな中、真っ先にマーケティングプロパートナーズが思い浮かびました。

そこで弊社の現状をご相談したところ、ご紹介いただいたのがM.KさんとS.Mさんでした。

株式会社アルクさまへ参画したフリーランス

エンジニア人材

Y.Yさん
31歳
サイボウズ社でWebディレクション、viviON社でネイティブアプリUI/UX設計を経験。医療事務、カメラマンを経てWebデザイナーに転身。サイボウズ株式会社ではWebディレクション、株式会社viviONではネイティブアプリのUI/UX設計を担当。幅広い実務経験を活かし、上流から下流まで一貫して対応できる。

Y.Sさん
34歳
Swiftを用いたiosアプリ開発に強みを持ち、要件定義、デザイン、開発もこなせるエンジニア
バックエンドエンジニアとしてキャリアをスタートさせた後、個人でアプリ開発事業を展開。Swiftを用いた開発とデザインを独力で行い、8年間で9つのアプリを開発。その後、単独でライブ配信アプリの要件定義から開発までを担当するなど幅広い経験を持つ。

Y.Kさん
45歳
20年以上の実績を持つ、AWSインフラ構築の経験が豊富なフルスタックエンジニア
基幹システム開発案件に従事した後、フリーランスとして独立。以降、Webサービス開発を中心に、要件定義から開発・検証、マネジメントまで幅広く経験を積む。フロントエンド、バックエンド開発に加え、AWSを用いたインフラ構築の実績多数。

S.Kさん
33歳
PHPでの豊富な開発経験を持つフルスタックエンジニア
新卒から一貫して受託開発に携わり、要件定義からテストまで幅広い工程を担当。PL、PMとして活躍し、保険会社管理システム、ECサイトなど多岐にわたる開発案件に貢献。特にスクラッチでのWebアプリケーション開発を得意とする。

K.Mさん
29歳(直契約転換済み)
ブリッジSEやプログラミング講師を経て、バックエンド開発を経験
Java開発に一貫して携わり、SES企業でプログラミング講師としても活躍。直近では決済プラットフォームのバックエンド開発を担当し、メンバーの進捗管理も行っている。ブリッジSE経験もあり、英語でのビジネスコミュニケーションも問題なくこなす。

マーケター人材

M.Kさん
31歳
大手人材業界でPMO経験後、マーケティング支援会社で400以上のアプリを手掛ける
広告代理店での経験を活かし、人材業界の大手企業でPMOとしてシステム立ち上げに貢献。その後、カスタマーエンゲージメントプラットフォームを提供するマーケティング支援会社では400以上のアプリのマーケティングを成功に導き、継続率向上やDL数増加など実績多数。アプリの成長を多角的に支援できるプロフェッショナルである。

S.Mさん
30歳
ミクシィ社でゲームアプリマーケティング、グループ会社で内製化体制を構築
ミクシィ社で人気ゲームアプリ「モンスターストライク」のマーケティングを担当。グループ会社でLTVを重視した広告運用やインハウス体制の構築に携わる。独立後は、toCアプリを中心にマーケティング戦略の立案から実行まで幅広く支援している。

フリーランス活用の成果について

フリーランスの方々にはどのようなポジションで入ってもらいましたか?

技術開発部では、チームをまとめるリーダー的なポジションに入っていただきました。

プロジェクトの初期段階から、開発の方向性を決めたり、技術的な課題を解決したりと、チームの中核として活躍していただきましたね。

マーケティング部でも、開発部と同様にリーダーシップを発揮していただいています。

具体的な施策の実行から効果測定まで、幅広い業務を担っていただき、チームを牽引してくれています。

参画されたフリーランスはどんな方々でしたか?

皆さん、本当に優秀です。豊富な経験と確かなリーダーシップを持ちながらも、コミュニケーション能力も非常に高い。

例えばiOSアプリ開発者が不足している中、参画してくださったY.Sさんは、主体的に行動し、チームを牽引して数多くの技術的課題を解決してくれました。

ブリッジSEの経験を持つK.Mさんは、英語力を活かしてオフショアエンジニアとのミーティングに参加するなど、チームへの貢献度が非常に高かったです。

Y.Yさんは、アプリUI/UXデザインの経験者として、プロジェクトの状況に応じて柔軟に役割や業務内容を調整して対応してくれました。

私たちも、デジタルマーケティングのスペシャリストと呼べるような経験豊富な方々に恵まれました。

S.Mさんには、メンバー育成や代理店との折衝など、幅広い業務を担当していただき、代理店との関係を対等なパートナーシップへと発展させる上で大きく貢献していただきました。

また、M.Kさんには、アプリマーケティングの戦略立案から実行まで一任し、その手腕を遺憾なく発揮していただきました。女性メンバーが多いチームにおいて、キャリア形成のロールモデルとしても、良い影響を与えてくれています。

どのように課題解決を進めてもらったのでしょうか?

Y.Sさんには、豊富な経験と知識を活かし、数多くの新しい技術やノウハウを導入していただきました。特に、昨年末に完了した内製化プロジェクトは、彼の支援なしには成功しなかったでしょう。

K.Mさんには、オフショア開発チームとの連携を円滑にし、メンバーのモチベーション向上にも積極的に取り組んでいただきました。新卒社員への技術指導やスクラム導入においても多大な貢献がありました。

Y.Yさんには、アプリUI/UXデザインに関する豊富な経験を活かし、ユーザー中心のアプローチでプロダクトの魅力を大幅に向上していただきました。

このように、多様なバックグラウンドとスキルを持つフリーランスの方々が、それぞれの強みを活かしてチームに貢献してくれたことで、より良い成果を生み出すことができたと感じています。

マーケティング部のS.Mさんには、メイン事業におけるマーケティングの内製化を大きく推進してもらいました。社内にマーケティングの知見が蓄積され、体制の強化にも繋がったと思います。

また、M.Kさんには、モバイルアプリのグロースに関する明確な指標を設定していただきました。チームの行動指針を明確化していただいたことで、サービスグロースの鈍化を防げたと感じています。

お二方とも、即戦力としてご活躍されただけでなく、メンターのような存在でもありましたね。最新の知識やノウハウを惜しみなく共有し、プロジェクトを力強く牽引してくれたと思います。

フリーランスの方が参画した成果はどうでしたか?

開発全体の効率が格段に向上し、プロジェクトのスピードも大幅に上がりました。

昨年末に完全内製化を達成しましたが、彼らがいなければ、ここまでのスピードで実現することは難しかったでしょう。

マーケティング部門でも、目覚ましい成果がありました。

メイン事業の内製化が大きく進みましたし、代理店に依頼している部分でも、以前よりも対等な立場で、深い議論ができるようになったと感じています。

また、モバイルアプリの指標が明確になったことは大きな変化でしたね。数値目標をチーム全体で共有することで、メンバーの意識改革が進み、具体的な行動につながりました。

フリーランス活用という手段について

プロパートナーズを活用してみていかがでしたか?

何より、マッチングの精度に驚きましたね。

実は、最初は採用基準が曖昧で手探り状態だったんです。当然、失敗もありました。しかしITプロパートナーズさんにお願いするようになってからは、私たちのチームにぴったりの人材を、スピーディーに見つけてくれるようになりました。

他社だと、こちらの要望とずれた候補者を紹介されることもあったのですが、ITプロパートナーズは最初から私たちの目線に合った人材を提案してくれます。

私も同感です。マーケティングプロパートナーズは、私たちの要望を深く理解してくれて、ピンポイントで求めている人材を紹介してくれたのが本当にありがたかったですね。

他のエージェントだと、「とりあえず10人まとめて紹介」といったこともありましたが、マーケティングプロパートナーズさんは違いました。

提案された候補者のレベルも高く、事前のスクリーニングがしっかりされています。おかげで、参画後のミスマッチもほとんどなく、スムーズにチームに馴染んで活躍いただけています。

フリーランス活用のコツはありますか?

当社のケースでは、フリーランスの方々にオフィスに出社してもらい、直接コミュニケーションを取る機会を多く設けたことが成功の要因の一つだと考えています。

フリーランスの方々がチームの一員として自然に溶け込み、新卒と違和感なく協働できる環境を作れたことが大きかったですね。

特に、経験豊富なフリーランスの方々がどっしりと構えてチームをリードしてくれたことで、他のメンバーも安心してプロジェクトに取り組めたのではないでしょうか。

また、コミュニケーションの頻度も重要だったと思います。リモートワークが中心の方でも、頻繁にミーティングを行うなど、密なコミュニケーションを心掛けることで、心の距離を縮め、信頼関係を築くことができました。

株式会社アルクさまにとってフリーランス活用という手段とは?

プロジェクトを推進する即戦力としてだけでなく、社内のスキルアップや新しい視点の導入を促す、非常に重要な成長戦略の一つだと感じています。

フリーランスエンジニアの方々は、豊富な経験と専門知識を持っています。彼らから学ぶことは多く、社員にとっても大きな成長の機会となり得ます。

木島さま:私も全く同じ考えです。フリーランス活用は、単なる外部リソースの確保ではなく、互いに成長し合える「共創」の関係だと捉えています。

フリーランスの方々の専門性や経験から学び、社内メンバーのスキルアップや意思決定能力の向上を促すことで、企業全体の成長を加速できる、そう確信しています。