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    U S E R ' S   V O I C E U S E R ' S   V O I C E

    お客様の事例・インタビュー

    2025.12.12

    ITプロパートナーズ

    ViVO株式会社

    生成AI×SaaS開発を加速。フリーランス活用でプロジェクト再生と新規AI事業の土台構築を実現

    ViVO株式会社さまは、SalesforceやYextなどのSaaSにAI技術を掛け合わせ、企業のDXと利益向上を支援するコンサルティング企業です。「生み出すのは、チャレンジする余力。」をミッションに掲げ、テクノロジーとビジネスの両面から顧客に伴走しています。

    創業当初、同社はスタートアップ特有の採用難とリソース不足に直面していました。育成の時間が取れない状況下で、事業スピードを落とさずにプロジェクト完遂と新規AI事業の立ち上げを実現する手段となったのが、フリーランスエンジニアの活用でした。

    本記事では、共同創業者・取締役の窪田さまに、導入の背景や成果、そして「SaaS is Dead」の時代を見据えた今後の展望について詳しく伺いました。

    フリーランス活用を選択した背景について

    貴社のビジネスモデルを教えてください

    窪田さま:私たちは、法人のお客様の事業成長にコミットするDXコンサルティングを提供しています。システムを導入して終わりではなく、課題整理からKPI設計、運用改善、データ分析までを一気通貫で支援し、継続的に成果が出る仕組みづくりを重視しています。

    事業は大きく4つの領域に分かれています。1つ目は、Salesforceを中心に営業・マーケティング・カスタマーサクセスを一元管理し、生産性向上を図るCRM・MA事業。2つ目は、Yextという米国の先端SaaSを活用して、Google Map検索や汎用LLMからの店舗集客の強化や、WebサイトのUI/UXを大きく進化させるサイト内AI検索エンジンの導入と活用コンサルティング、各ソリューションと施策のPDCAを回すための多角的なデータ分析で業績アップを支援するWeb事業です。

    3つ目が新規のAI事業で、昨今よく見られるような汎用LLMの導入ではなく、業務システムの深い部分にAIを組み込み、プロセスそのものを変革したり、長年続いてきた事業に対して属人性を解消するような仕組みの開発支援を行っています。そして4つ目が、これら全てを横断してデータの可視化・分析を行うデータ分析事業になります。

    現在は、フルタイム正社員が12名、業務委託も含めてメールアドレス発行ベースで約25名の体制で、SaaSやAIの専門人材がプロジェクトごとにチームを組成し、お客様に伴走しています。

    どのような課題があったのですか?

    窪田さま:スタートアップにありがちなのですが、慢性的なリソース不足に悩まされていました。当時は私と代表、Salesforce側のエンジニア1名の計3名で回しており、目の前の案件対応で精一杯。採用活動に時間を割く余裕がまったくありませんでした。

    創業期で認知度がないため、優秀な正社員の採用には膨大な時間がかかります。かといって妥協すれば、カルチャーの不一致など会社全体のリスクになりかねません。特にエンジニアに関しては深刻でした。

    知人に手伝ってもらうこともありましたが、単価が非常に高く、しかもYextのようなニッチなソリューションを1からキャッチアップしていただく必要がありました。時間もコストもかさみ、採算面でも良くない状況でしたね。

    そこで選択したのがフリーランス活用です。必要なタイミングで即戦力を確保できる柔軟性が、当時の私たちには不可欠でした。

    なぜフリーランス活用という手段を選択したのですか?

    窪田さま:必要な人材を最速で確保できるスピード感です。

    例えば、海外のオフショアチームに任せていたプロジェクトがコミュニケーションや品質面でうまくいかず、チームを総入れ替えしなければならない緊急事態に直面したことがありました。

    悠長に採用活動をしている時間はなく、即戦力として参画し、短期間でプロジェクトを立て直せるプロフェッショナルを確保するために、フリーランスという手段を選びました。

    Hajimariへどのような人材をオファーしたのですか?

    窪田さま:プロジェクトごとに求められる役割が異なるため、その場に最もフィットするスキルセットを持った方をご紹介いただくようお願いしていました。

    とくにエンジニアリング領域では、開発の中心を担っていただくケースが多く、まずは技術力を重視していました。面談では、最低限のコミュニケーションが問題なく取れれば十分で、あとは実装力に期待するというスタンスです。

    一方で、データ分析の講師のように、お客様の前に立つポジションでは、技術力に加えて説明力やコミュニケーション力が不可欠です。当社が支援する企業にはJTBさまやコメ兵さま、ファンケルさまをはじめとした大手企業も多く、対外的な場での発信力が求められるためです。

    そうした役割の違いに合わせて、「社内で開発力を発揮する方」なのか、「顧客対応まで担える方」なのかを事前に整理し、その要件に沿ってHajimariさんからご提案いただく形を取っていました。

    結果として、それぞれのプロジェクトに最適な方が参画してくださり、大きな助けとなっています。

    ViVO株式会社さまへ参画したフリーランス

    K.Yさん 40代

    サイバーエージェント・ぐるなび・パーソルにて長期プロジェクトを牽引。TypeScript×Reactを軸にフロントエンド開発を推進するベテランエンジニア
    Javaでのサーバーサイド開発からキャリアをスタートし、2009年に独立。以降、TypeScriptやJavaScriptを中心にWebサービス開発へ長期参画し、フロントエンドの中核を担当。サイバーエージェント、ぐるなび、パーソルでは複数プロジェクトに関わり、チームリーダーとしても活躍。ソシャゲ、SNS、メディアなどのToC向けサービスから業務システムまで幅広い開発経験を持ち、ゼロイチ開発やアジャイル環境での推進力にも定評がある。

    H.Tさん 40代

    TypeScript×Python×React Nativeに強み。Web・モバイル・AI領域を横断するフルスタックエンジニア
    ソフトウェア企業で経験を積んだ後に独立し、以降は国内大手企業や有名Webサービスの開発に複数参画。TypeScriptやPythonを軸に、Webアプリ・モバイルアプリ・インフラ構築・AI/LLM活用と幅広い領域を担当してきた。新規サービス開発では、要件定義から設計・実装までを一貫して担い、技術選定や開発プロセスの整備にも関与。コミュニケーション力と環境適応力に優れ、プロダクト価値を高める提案力にも強みを持つ。

    フリーランス活用の成果について

    K.Yさん・H.Tさんにはどのようなポジションで入ってもらいましたか?

    窪田さま:お二人には、それぞれの強みを生かせるポジションで参画してもらいました。

    まずK.Yさんには、Yextを活用したフロントエンド開発をお願いしました。Yextは日本ではまだ一般的とは言えませんが、Webページの制作・更新を行うCMS機能に定評があり、株式会社JTBさま、株式会社ファンケルさま、株式会社コメ兵さま、名だたる企業にご利用いただいています。

    その分、改修のご要望も多く、Yextを深く理解したフロントエンドエンジニアリングが非常に重要になる領域です。

    一方、H.Tさんには「AIエンジニアリングの土台づくり」を担っていただきました。開発ツールにClaude Codeを採用し、独特な仕様を持つYextフレームワークをAIに正しく理解させ、最適なコードを出力できる環境を整備してもらいました。

    これは当社の新規AI事業の基盤であり、「SaaSの次の時代」を見据えた開発スタイルを形にする重要なプロジェクトでもあります。

    K.Yさん・H.Tさんはどんな方でしたか?

    窪田さま:技術力が非常に高く、自走力のあるエンジニアです。

    K.Yさんについては、何よりキャッチアップの速さが印象的でした。Yextのフレームワークは独自仕様が多く、世の中に情報もほとんど出回っていないため、本来は習得に時間がかかります。しかしK.Yさんは短期間で特性をつかみ、すぐに実務で成果を出してくださいました。

    多様なソリューションに触れてこられた経験から、未知の技術でも勘所をつかむのが非常に上手いのだと思います。デバッグでも短時間で仮説を立て、AIも適切に活用しながら原因を切り分けていく姿がとても頼もしかったです。

    一方のH.Tさんは、「開発プロセスをどう最適化するか」という視点を常に持っている方です。単にコードを書くのではなく、業務要件やフレームワークの特性を踏まえたAIへの教え方まで設計し、開発期間の短縮や人員削減につながる仕組みを構築してくださいました。

    その結果、新規AI事業の方向性がより明確になり、これならスケールできるという手応えを持てるようになりました。

    K.Yさん・H.Tさんにどのように課題解決を進めてもらいましたか?

    窪田さま:それぞれの専門性を生かしながら、停滞していたプロジェクトの立て直しと、新しい開発基盤づくりを同時並行で進めてもらいました。

    特に印象に残っているのが、大型のSalesforce関連プロジェクトで障害が発生したときの対応です。リリース直前の性能テストでは見つからなかった問題が本番環境で出てしまい、2週間ほどは緊急度の高い対応が続きました。

    その際は、H.Tさんが中心となって問題の本質の追求や、どのタスクを誰が担うべきかを自ら整理し、役割分担や追加で必要となるタスクまで先回りして提案しながら進めてくれました。K.Yさんについても担当いただくお役割の中でかなりスピーディに、かつ自発的に原因の究明と解決に動いてくださり、大変な貢献をいただきました。こうした動きにより、想定外の作業も含めてスムーズに対応できたことが、とても助かりました。

    土日を含めて朝からミーティングを行うこともありましたが、指示を待つのではなく、自律的に動いてくださった点は本当に心強かったです。

    また、お客様とのミーティングでは、私がビジネス側の説明を担当しつつ、K.Yさんにも同席してもらう場面が多くありました。お客様の要件や期待値を理解したうえで技術面を支えてくれるため、寡黙ながら確実に成果を出してくれるエンジニアという印象でした。

    K.Yさん・H.Tさんが参画した成果はどうでしたか?

    窪田さま:採算の改善と開発スピードの向上が非常に明確に表れました。

    先ほど触れたSalesforce関連のプロジェクトでは、当初インドネシアのエンジニアを中心とした海外チームに委託していましたが、コミュニケーションのズレや責任感の違いから、最終的にチームを総入れ替えせざるを得ない状況になりました。

    そこで参画いただいたのが、K.Yさんを含む3名のフリーランスエンジニアです。結果として、プロジェクトは完全に立て直され、スケジュール・採算ともに大きく改善しました。単価は上がりましたが、それを大きく上回るスピードと品質が実現し、総合的にはむしろプラスになっています。

    さらに大きな成果が、H.TさんによるAIエンジニアリング基盤の構築です。Claude CodeにYextフレームワークの知識をきちんと教え込み、その前提を踏まえたコードが自動生成されるようにチューニングしてもらいました。

    とあるお客様の大規模案件では、初回リリースに半年以上かかっていたものが、次のリリースでは約3ヶ月で到達できました。期間はおよそ半分、メンバー数も半分程度で、体感としては生産性が4倍程度に向上しています。要件によっては、10倍、20倍といった生産性向上も見込めると感じています。

    こうした成果によって、私たちとしてもAIエンジニアリングを事業の軸にできるという実感を持つことができました。

    フリーランス活用という手段について

    プロパートナーズを活用してみていかがでしたか?

    窪田さま:率直に言って、とても助けられています。利用を始めてからすでに2年ほどになりますが、最初にご紹介いただいた方をきっかけに、デザイン領域からエンジニアリング領域まで、幅広い人材を継続的にご提案いただいています。

    当初は複数のエージェントサービスを併用しながら人材を探していましたが、案件へのマッチ度や紹介スピードを総合的に見ると、次第にプロパートナーズさんが中心になっていきました。

    単に人材を紹介していただくだけではなく、「今の事業フェーズで本当に必要な人材は誰なのか」を一緒に考えてくれるパートナーのような存在です。Slackでのスピーディーなやり取りも含め、当社の働き方やスピード感と非常に相性が良いですね。

    ViVO株式会社さまにとってフリーランス活用という手段とは?

    窪田さま:当社にとってフリーランス活用は、リソースを柔軟に確保し、次世代のエンジニアリングを実現するための重要な手段です。

    現在は自社プロダクトを持たず、プロジェクトごとにサービスを提供しているため、案件の状況に合わせて必要なスキルを適切なタイミングで投入できることは、経営面でも大きな価値があります。

    正社員中心の体制が望ましい場面もありますが、採用には時間とコストがかかり、事業成長のスピードに間に合わないこともあります。その点、フリーランスは必要に応じてスキルを確保でき、固定費のリスクも抑えられます。

    単価だけを見れば割高に映ることがありますが、スピードや品質、柔軟性を総合的に考えると十分に費用対効果があると感じています。

    また、外部の方に依頼する以上、社内にナレッジをどれだけ残せるかは重要なテーマです。H.Tさんには実装内容を丁寧にドキュメント化してもらい、正社員メンバーの育成にもつなげてもらっています。

    すべてを完全に残すことは難しくても、工夫次第でナレッジを定着させる仕組みは十分につくれると実感しています。

    今後の展望を教えてください

    窪田さま:今後もSalesforceやYextの事業は、引き続き当社の主軸として伸ばしていきます。その上で、特に注目しているのが新しいAI事業です。

    アメリカでは「SaaS is Dead」と言われ始めるほど、AIを活用すればアプリケーション開発のハードルが大きく下がりつつあります。Salesforceのような高機能SaaSは非常に優れていますが、企業によっては業務がニッチすぎてフィットしないケースもあります。一方で、そうした企業がスクラッチ開発に数千万円を投じるのは現実的ではありません。

    そこでAIを活用することで、従来の数分の一のコストとスピードで、実質的にはオーダーメイドに近い柔軟なシステムを提供できる可能性があります。

    裏側ではSaaSを活かしつつ、表の体験としてはスクラッチ開発に近いUI・機能を実現する。そんな世界観をつくっていきたいと考えています。

    また、エンジニアにとっても、自社プロダクト開発に関わっていくことだけがキャリアの選択肢ではありません。最先端のSaaSとAIを組み合わせ、顧客ごとに最適なシステムを設計・実装するという新しいキャリアがあることを伝えていきたいですね。そうした挑戦に共に取り組んでいただける方と、ぜひご一緒したいと思っています。

    必要な時に、必要な力を。フリーランスがもたらす成長の加速

    ViVO株式会社さまの取り組みは、フリーランス活用が単なる人員補強ではなく、事業の推進力を生み出す戦略的な手段になり得ることが読み取れます。

    プロジェクトの立て直しや新規AI事業の基盤構築を短期間で成し遂げられたのは、その時に必要な専門性を迷いなく投入できたからです。

    さらに、外部知見を取り入れながらドキュメント化やプロセス整備を進め、社内にナレッジを残せたことも大きな成果でした。固定費を抱えずに組織の実力値を高められる点は、成長フェーズの企業にとって大きな強みとなります。

    スピードが求められる今、必要な力に柔軟にアクセスできるかどうかが競争力を左右します。ViVO株式会社さまのように、フリーランスとの協働は、次の成長フェーズへ踏み出す企業にとって確かな推進力となるはずです。